防府まちづくり達人養成塾(防府まち塾) 体験レポート
日時:2002.8.4.Sun〜2003.2.16.Sun(全6回+卒業式) 13:30〜16:30(毎回、終了後に茶話会)
会場:カリヨン203(防府市)

参加のまちづくりを自分で実践するための、企画・運営の考え方から基本的な手法までを幅広く学ぶ、『ファシリテーター養成』を目指した体験型の講座。
塾生&サポートスタッフとして一生懸命学んでいるので、合間に写真を撮ったりと、完全なレポートにはなりませんが、ご了承を。(コマツ)

4月24日、初めて会議に参加する。
「防府市民じゃったら、一緒にまち塾の準備しようや〜」と、山口市市民活動支援センター「さぽらんて」のスタッフさんに誘われ、4月から準備のための会議に参加した。

山口市では、何年か前に「山口まちづくり達人養成塾」が開かれた。それがきっかけで、ジャンプアップ出来た人が多くおられると聞いた。「え?あの団体もこの団体も、まち塾がきっかけなんですか?」と、驚かされた。防府も、そうなったらいいな〜と思った。

現在、コアスタッフ(まちづくりやワークショップのプロや、山口まち塾の卒業生)・防府市の職員と一緒に(教えてもらいながら)、サポートスタッフとして関わり、塾生としても学んでいる。
■第1回 基本編1『楽しい仲間づくり』(2002年8月4日)

コアスタッフ・サポートスタッフともに、10時に集合し、準備開始。机の配置や文房具、模造紙を用意する。

模造紙に、この講座の目的や進め方を書く。カラフルで字が大きく、みんなに伝わりやすい。

全体の流れ。毎回掲示することで、現在しているのはどの過程なのか、塾生は確認出来る。

1時半になり、防府まち塾が開講された。今日の内容は上の通り。


旗あげアンケート。1〜5の数字が書かれている5枚のカードを一人ひとりが持ち、年齢・防府市在住年数など、質問にあてはまるカードをあげる。参加している人の属性が、ゲーム感覚でわかって面白い。緊張が、少しほぐれる。


ファシリテーショングラフィック。説明していることや発表していることを、コアスタッフが即興で、模造紙にわかりやすく書き留める。


各グループの机に準備された文房具。
裏うつりしないマジックペン、字を書く黒ペン、スティックのり、付せん、アンケートなど。

フェイスシート。向かい合った相手に「好きな食べ物」「原風景」などインタビューしたことを書きとめ、似顔絵を描きあった。(右下:私が描いてもらった似顔絵)


仲良くなるためのアクティビティをしたことで、塾生同士がすっかり仲良くなり、フェイスシートを見せ合って「似ちょるね〜」「面白い顔になったね」など、会話が弾んだ。

“この塾に期待すること”を一つずつ書き、どんな要望があったか、大まかにコアスタッフが分類し、発表した。塾生も主催者側も、同時にニーズを共有しあえてよかった。
■第2回 基本編2『カードを使った話し合いのすすめ』(9月8日)

今回は、カード(付せん)の基本的な使い方を学び、グループで出た意見をまとめる作業をした。
まず、「防府のまちの良いところ・気になるところ」を3つずつ書き、それをまとめてグループごとに発表した。


防府のまちに対する意識が高まったところで、「まちづくりに必要なもの」を7つずつ書き、グループ内で、お互いの出した意見に感心しながら模造紙にまとめ、発表した。5人いれば、5つの視点があり、意見も違って面白かった。
■第3回 応用編1『ファシリテーション・グラフィックを学ぶ』(10月6日)
この日は、自分が事務局を務めるワークショップセミナーと重なり、欠席した。
ファシリテーション・グラフィック(FGと略される)とは、会議で、話し合いの流れをわかりやすく記録し、参加者の発言を促すための手法。毎回、コアスタッフさんが、大切な部分を模造紙に書き留めて下さっている。本当は、このファシリテーション・グラフィックが、一番学びたかった。ん〜残念。

しかし、毎回終わってから届く『防府まちづくり達人養成塾だより』で、どんな内容だったかを知ることが出来た。FGの効果、模造紙の貼り方、ペンの持ち方、色の使い分け方、そして実践。
う〜ん。読んでみてやっぱり、基本から学びたくなった。

■第4回 応用編2『デザインゲームを学ぶ』(11月10日)

デジカメを忘れて行った。不覚。。。
今回は、まちづくりの拠点として整備される予定の、旧山口銀行防府支店へ現地調査に行き、気づきや提案をグループごとにまとめた。

先週まで使われていた銀行内は、ガランとしていて、あまりに広く、ここをどう利用したらいいかというアイデアが、一人ではなかなか浮かんでこなかった。しかし、グループのメンバーと写真を撮ったり、話しをしたりして、だんだんとイメージがふくらんできた。
戻って、アイデアを整理し、具体的に地図に落としこんでいった。パソコンはここで、この辺は展示スペースで、ここに子連れのお母さんたちがお茶を飲みに来て・・・と、思ったことをみんなでカタチにしていく作業が、とても楽しかった。
■第5回 実践編1『持ち込みテーマ1』(12月8日)

いよいよ実践編に突入!前日の夜に忘年会があり、塾生同士も、いっそう仲良くなった上での第5回目だった。

「防府まちなか元気プロジェクト」を考えてくる、という宿題が、前回出されていた。今回はまず、考えてきたアイデアを、それぞれが模造紙に大きく書いた。
みんな、黙々と模造紙に書き込む。スタッフもビックリするくらい、みんな真剣。「元気にしたいって気持ちや、そのための案を、たくさん持っちょってんじゃな〜」と、書いている自分も、まわりの雰囲気に驚かされた。

貼りだして、各自3分でプレゼンテーション。発表後、各企画を大きく分類し、それぞれが関わりたいと思う企画を決め、4グループが出来上がった。

この形式に、それぞれが企画案を書き込んだ。「書けないところは空欄でいいから、「自分が関わるんだという気持ちで考えて」とコアスタッフの声。

書かれた企画案を、おおまかに分類しながら、コアスタッフが貼りだしていく。「みんな、面白いこと考えるねぇ〜。自分のより、こっちんがえぇわ。」お互いに、感心しあった。

塾後、毎回行われている「茶話会」の様子。今回は『2002年 し残したこと』をテーマに自己紹介。その後、ざっくばらんにお菓子を食べながら話す。
今回やっと、写真が撮れた。(いつもは話に夢中)
■第6回 実践編2『持ち込みテーマ2』(2003年1月19日)

まちの魅力を知る“歩き”イベントグループ

にぎやか表参道グループ

空中ギャラリーinときめき館グループ
前回出来上がった「まちの魅力を知る“歩き”イベント」「にぎやか表参道」「空中ギャラリーinときめき館」「市民活動支援センターづくり」の4グループごとに、自分たちで取り組むプロジェクトを考えた。

私の所属する「市民活動支援センターづくり」グループは、目標が大きすぎたので、現状や課題、センターに望むことなど、根本から考えていった。結局、具体的な話にまでは至らなかったので、卒業発表会までに、グループで集まってプロジェクトを練り上げていくことになった。5人で真剣に考えたので、共感できるところや、「そんなこと考えちょっちゃったんじゃ〜」という発見があった。

写真は、今回話し合った内容を、グループごとに発表し、質疑応答している様子。
■各グループでの話し合い&発表の準備
自分たちでもっと具体的に話し合い、発表する準備をしようと、グループごとにそれぞれ集まったり、連絡を取り合ったりした。

私たちのグループは、1月27日と2月12日の2回、市の商工課に集まった。具体的な取り組み内容は決まったのだが、一言で内容の伝わる言葉が思い浮かばず、悩んだ。「みんなが集まって、しくみづくりを考えたり、思いを話し合ったり、多くの人と出会えたりする場を、何て名前で表現しよう?」
『元気ステーション「てんじん」』という名前を思いついた時は、みんなで「それにしよう!!」と盛り上がり、その後は発表の準備もはかどった。
グループ名も「市民活動支援センターづくり」から「元気ステーション“てんじん”」と改名した。

発表の準備が終わって、清々しい顔のメンバー一同。
■卒業式前日の準備

前日の15日、商工課に集まって発表の準備。4グループそれぞれが作成した模造紙を、ズラッと並べて貼った。全部で16枚の模造紙に、今まで学んできた技術を使って、自分たちで考えたプロジェクトがまとめてあった。

グループのリーダーや発表者同士で「すごいわかりやすく書いてあるね〜」「こんなことまで企画したん?すごいね〜」と、お互いのグループの出来上がりを見て誉め合った。あとは、コアスタッフ・サポートスタッフ・商工課のみなさんで準備を進め、発表者は家で発表の練習をした。
■卒業式 『防府まちづくりフォーラム 〜みんな集まれ!防府のまちに〜』
  (2月16日 デザインプラザ防府)
卒業式は、『防府まちづくりフォーラム』として、一般のお客さんも見に来られる中で行われた。
(写真提供:コアスタッフの井本さん)
第2部「防府まちづくり達人養成塾の成果発表」として、私たち塾生のファシリテーターであった吉田まりえさんからの活動報告の後、各グループがプロジェクトの発表をし、これから取り組んでいく内容と思いを披露した。防府市長から、修了証を授与された。

1グループ10分で、今まで考えてきたこと、今からやるぞ〜ってことを発表するのは難しかったが、お客さん(市民のみなさん)に、少しでも伝わっていたらいいな。いやいや、これから行動することで、もっとわかってもらったり、仲間に加わりたいと思ってもらえたりするよう、ガンバロウ!
防府のまちが元気になるには、私たち一人ひとりが力と知恵を持ち寄って行動し、一人ひとりが元気になることが大事。この日、みんなを見てそう思った。
この勢いで、前進し続けていこう!!

私たち元気ステーション「てんじん」グループの発表の様子。駆け足で思いや目的、取り組み内容、期待される効果を説明。他の3グループが上手な発表だったので、プレッシャーを感じたが、最後は「元気の輪!」のかけ声で終わった。

修了証は、最年長の藤井さん(左端)が代表で受け取り、お客さんにあたたかい拍手をいただいた。

第3部パネルディスカッション「TMOと市民活動の協働によるまちづくり」では、防府まち塾代表で、パネリストとして発言させていただいた。

みんな、イ〜笑顔でしょう?
そしてそして、打ち上げ!
デザインプラザのお隣、サンライフ防府で一次会。

「うちのグループは、今度こんな風に進めていくから、みんなもぜひ力を貸してね〜」「今、こんな助成金の募集がありよるから、それに申し込みしよう!」「連絡を取り合うために、メーリングリストを作ろう!」「助成金って、どうやって書類を書くん?」「それはね〜・・・」などなど、いろんな話がポンポン出ていた。

防府まちづくり達人養成塾を企画してくださったみなさん、運営してくださったコアスタッフのみなさん、塾生のみなさん、関係者のみなさん、本当にありがとうございました。
今からも、頑張りましょう!!