体験レポート 岩国寿司づくり 岩国市のまちづくり団体『じゃげな会』のみなさんと一緒に
2001年8月13日(月)朝、防府(ほうふ)市から高速で一時間、
山口県の東の端にある岩国市へ、じゃげな会の新庄菊子さんをはじめとするみなさんに、
岩国の郷土料理『岩国寿司』を教えてもらいに行きました。
以前から「岩国寿司を作ってみたーい」と思っていたところ、「今度、飛鳥っちゅう豪華客船が岩国へ着くけぇ、その時に来ーさい。」と新庄さんに誘っていただいていたのです。この日は朝から、家でエプロンを引っぱり出して、岩国へ向かいました。

着くと、もうみなさん台所でテキパキと動かれていました。「今日はお客さんに、お弁当作って出すけーね。」と見せてもらった献立を見てア然。「うちに手伝えるん〜〜っ!?」
とりあえず、ニンジンの飾り切りに取り組み始めました。あ〜包丁を持つのも久しぶり。。。

“お献立”はあるものの、「あ、そりゃぁえぇね。それも混ぜたら美味しいわぁね。」と、どんどん具が増えたり、考えていなかった調味料が加わったりして、料理の出来上がり図が、みるみる変わっていきます。

「びっくりするじゃろぉ?私ら、たし算しか出来んのぃね。味を濃ゆぅに付けすぎたら、具も足しゃぁえぇのぃね。」と、飾り切りで出たニンジンのくずも、飾り付け用のパセリも、どんどん「具」になっていきました。岩国寿司の下に敷く葉っぱも、「忘れたぁね。」ということで、蓮の葉の予定だったのですが、おうちが近い方が、庭から芭蕉の葉(バナナの葉っぱにそっくり)を切って来られました。

真ん中が新庄さん。まな板の横にあるのが、頑張った花ニンジン。

岩国寿司の「具」&寿司の下に敷いた「芭蕉の葉」

お献立

岩国寿司
鮎の姿煮   郷土野菜の甘煮
豚の角煮   えだまめ
てんぷら   れんこんサラダ
なすの芥子あえ   ふきの佃煮
れんこんそーめん汁
くだもの


「さぁて、お寿司を作りましょうかね。」ということで、隣でお手本を見せてもらいながら、念願の岩国寿司づくり、スタートです!
長方形の寿司枠の中に、葉を敷いて、酢飯を平らに詰めて、椎茸・さやえんどう・錦糸卵・でんぶ・れんこんをそれぞれ均等に散らして、また葉を敷いての繰り返し。最後に押しぶたをして、腕に全体重をかけて押しました。こーれが大変でした。
「うちには、もっと大きな寿司枠があるんよ。」「寿司をどこで切るか考えて、れんこんは切れんところに置くとえぇんよ。」など、それぞれの、我が家の知恵を聞かせてもらいました。

作るのに必死で、ここから撮影ストップしちゃいました。
「もう、えぇかね。」30分後、寿司枠を外して、長い寿司切り包丁で崩れないように切って・・・2段重ねの岩国寿司の出来上がり!やったーーー!!

「まぁまぁこんな時間じゃぁね。急がんと。」
お弁当箱に、お寿司を一段ずつ、そっと詰めました。『あぁじゃげな』『こうじゃげな』と言って、おかずも彩りよく詰めていきました。
鮎の姿煮や豚の角煮など手のかかる料理は、みなさん前日からおうちで作って来られたようでした。う〜ん美味しそう!オナカスイタ。
完成!!と思った途端に「こんにちは〜」という声。この日、飛鳥号で岩国に着かれたみなさんのうち約30名が、『地元の人との郷土料理体験』というコースを選んで、いらっしゃったのです。
「暑いところを、よぅおいでました。」と、お弁当を食べていただきながら、新庄さんがご挨拶。岩国特産のれんこんは穴が一つ多いという話や、岩国寿司の歴史など、郷土に伝わる『げな話』を聞いて、みなさん大いに笑っておられました。

新庄さんは、とってもお話が上手。みなさんに記念撮影をお願いされていました。

「へぇ〜」「おっとっと」「おぉー」と声があがっていました。
お弁当を食べられた後は、お寿司作りに挑戦です。
大きな芭蕉の葉や、長い寿司切り包丁の登場に、歓声があがります。
長い包丁は、なかなか上手に使えません。作って押して、すぐに切ったので、ご飯同士がくっついていなくて、さらに切りにくそうでした。「東京に帰って作ってみよう。」とメモを取る人、「蓮の実が青いままなってる状態を初めて見たわ。ぜひ今度の生け花展に使いたいんだけど。」と目を輝かせる人、いろいろです。
「うちで蓮を作っちょるから、そりゃぁ送りましょう。」と、東京の生け花展で、岩国の蓮の実が活躍することが決まりました。

「みなさんお気を付けて。」と見送って、ホットした時はもう5時前。余分に作ったおかずやおにぎりで、お昼ご飯&お疲れさま会です。
「まぁこりゃ美味しいわぁ。」と、お互いが作ったおかずの出来を誉めあったり、作り方講座が始まったり、一日の労をねぎらい合いました。「今日も、えぇ勉強になりましたぃね。」

人との出会いを大切にしておられること、自分や仲間の特技を活かしておられること、良いことはどんどん取り入れていく姿勢。一緒に活動させてもらった中で、いろんなことを現場で感じ、学ぶことが出来ました。

新庄さん、じゃげな会のみなさん、ごちそうさまでした。ありがとうございました。(コマツ)


この日参加されていたじゃげな会のみなさん。いい笑顔でしょう?
【追伸】
9月14日、新庄さんからのあたたかいお便りとともに、交流記録集が届きました。
この日の写真や献立、お寿司作りを体験された方からのお礼状の抜粋などが詰まっていました。
→きらら博でのじゃげな会さんインタビュー記事へ
→ボランティア国際記念大会inいわくに 体験レポートへ
→国際交流 紅葉まつり 夢の架け橋21 体験レポートへ