団体名   グループNON+笠井太陽
ジャンル 家具
タイトル 未知のパワー計画 
強く、しなやかな生活行動のために
会場 きららネットギャラリーB棟
日時 8/15(水)〜21(火)
内容 家具などの道具類や生活空間を、今までとは違った使い方ができるものに創りかえて提案します。来場者に実際に使ってもらうといった体験型の展示会です。

 

山口市内で作品展開催中のところへお邪魔して、
グループNONの佐藤誠一さんにお話をうかがいました。
(01.07.01.Sun)

●なんだか、座るのを躊躇してしまう椅子や、不思議なマグカップや家具が、いっぱい展示してありますね。一体どんなねらいがあるんですか?
  はい。まぁどうぞ、どれでもお好きな椅子に座ってください。 普段、私たちが使っている家具、店で売っている家具はみんな、“使いやすい”んです。何の抵抗もなく使えてしまうんです。使い方といえば、みんな一緒でしょう?“便利”なだけで、抵抗感がない家具。今は“便利”ばかり考えてデザインしてある。そんなの、道具として不十分だと思うんです。 私たちは、そんな家具や道具を創りかえることで、日常生活を芸術していこうと思っているんですよ。主役はやっぱり「使う人」であって、使う人が工夫して使う。使いにくいと、ちょっと立ち止まって考えて、そして使う。それって楽しいし、ちょっと疲れるけど、元気が出て、生活が活性化される。新しい発見がある。 私はこれを、『工夫主義』って名付けてるんですけどね。だって原始人は、工夫してたと思うんですよ。そうでしょ?

●そうですね。このようなスタイルの展示会をされて、楽しいことは?
 つくった私たちでも考えつかなかった使い方を、お客さんが発見されることですね。 この使いにくそうな椅子も、4面それぞれから座ってみると、その人にしっくり合う面 が見つかったり、穴の空いたマグカップも、「一輪挿しにしたらちょうどいい!」と喜ばれたり。 (と話している横で、見に来られたおばぁさんが、穴だらけのテーブルの使い方を発見!)

 

右にいらっしゃるこの方こそ、
この「穴だらけのテーブル」の
オリジナルな使い方を発見された方です!!

 

●グループNONは、いつごろから活動されているんですか?
  10年くらい前かな?名前は違いましたけど、元・山口高校美術部の同級生と下級生で、活動を始めました。 今は、何人だっけ?7人か。学校の先生や主婦、萩焼作家に染織家、草月流の先生がいます。私はサラリーマンですよ。私は家具づくりに取り組んでいますが、みんなもそれぞれ、生活に関わるものをつくっています。 一年に一度、作品展をしています。今年は、この作品展と、きらら博ですよ。この作品展の合間に打ち合わせをしたので、きらら博までの残った日に、しなくちゃいけないことが確認し合えました。 私は、これからこのテーブルや椅子を仕上げます。今日は木肌がむき出しですけど、博覧会当日は、きれいに色が塗られてますよ。

●佐藤さんが、きらら博に望まれることは何ですか?
  作家同士の、横のつながりを作って行かなくてはと思いますね。 今の美術行政は、学閥で成り立っている部分など、縦のつながりが強いと思います。私は、作品自体の素晴らしさが評価されるような、当たり前の判断がされるべきだと思うんです。べきだ、というか、いいものが評価されるって、普通 の、当然のことですからね。 ものをつくっている人は、県内外あちこちにいると思います。その人たちが、それぞれにきらら博に向けて準備している。そういう人たちのつながりを作らないと、博覧会が終わってしまったら、何も残らないと思うんですよ。 それぞれが、いいものをつくっていると思います。お互いを知って、ネットワークを作って、みんなでステップアップしていけたら、評価の仕方も変わってくるんじゃないかって、そう思うんです。 私たちのグループでも、この作品展で初めて一緒に展示をした人が、2人おられます。 行政の方は、ものをつくる私たちが創作活動しやすいように、場所と施設を援助してくれるだけでいいと、そう思うんですよ。

●佐藤さん自身、これからの目標は?
  もともと油絵から現代美術に移行して、家具をつくるようになりましたから、今度は建築の分野に取り組んでみたいですね。 基本は、人が使うものを『工夫主義』で何でもつくることなので、人が使う一番大きな入れ物として、建築物にチャレンジしたいですねぇ。

●では、きらら博に来られるお客さんにメッセージをお願いします。
  きららネットギャラリーへ来て、私たちのつくったものを、実際に使ってみてください。あなたの使い方が見つかるはずです。 とくかく一度、ぜひ体験してください!



▼ 当 日 レ ポ ー ト ▼


木目のキレイだったテーブルが、こんなに鮮やかな模様になって、さらにステキに変身していました。

←「こうやって座ると落ち着くわぁ〜」「ありゃ、このポットは、反対側からお茶が出るんじゃね。おもしろい。」と、奥さんにすすめられて、恐る恐る椅子に座ってから安心するおじさん。すぐに使い方を工夫してしまった若い女性たち。いろんな人が体験していました。ランプもステキでした。

笠井太陽さんの作品。こんな椅子があったら座りたいなぁ〜。

みなさん、これからも頑張ってくださいね。(コマツ)