団体名   トラタン村
ジャンル 地域づくり
タイトル タヌキのフロシキ 共生の明日へ踏んばるトラタン
会場 きららネットギャラリーB棟
日時

8/22(水)〜28(火)

内容

これまで実施してきた地域づくり活動を振り返り、写真や展示物により紹介していく展示会。

 

トラタン村村長の松崎祥男さんにお話を伺いました。(2001.7.23.Mon)


●この辺りの地区のことを「トラタン村」というんですか?
やっぱりみなさんそう思ってですかね?この柳井(やない)市の伊陸(いかち)という田舎で、僕たちが集まってやっていることがトラタン村で、トラタン村っていう地名があるわけではないんですよ。


●「トラタン」?
トラタンは、大法螺(ほら)を吹いてあたかも出来た気分になる「とらぬタヌキの皮算用」ということわざを略した言葉です。大法螺を吹いて、いつの間にかそれを本当に実現する人のことを僕たちは「トラタン」って呼んでるんです。
はじめトラタン村が出来るときに、9人の人間が3年間理想を言い合って、言うだけで出来た気になってたんですよ。それでこの言葉がぴったりだってことになったんです。
原点は、大ホラを吹いてやりたいことを切実に思うことですね。


●どんなことをされているんですか?
ヒト・環境・農業を柱に、生き生きと元気な地域にしようと思ってるんです。地域の人たちの絆を深め、お互いの成長を喜び合えるということを目的に、共同作業でいろいろなことをしています。村民は、伊陸の人だけではなく、違う場所に住んでいるけど一緒にやりたいという人を含めて、20代から80代まで約95人います。
どこでも誰でも出来ること、お互いが出来ることを出来る時に出来るだけやって、したことが一つのものとして、地域づくりのために実を結べばいいんです。資金はすべて自己責任、分かりやすく言えばワリカンで、自主的な活動として、強い信念と覚悟を持って活動してるんですよ。
農村では今、作りたくても米が作れん状況なんです。作る方がお金がかかるっていうね。だから、産業と結びつけようと、この地区では酒米を作りはじめたんですよ。今では、「五橋」ブランドで有名な、酒井酒造さんの受託生産をしてます。自主ブランドの「友の舞」っていう酒もあるんですよ。
酒米というのは、厳しい規格があるから、品質やコストの管理も大変なんだけど、それを学びながら米を作りています。農業にもそういうのが必要な時代になってきたからね。
冬は田んぼに菜の花を植えてお祭をしたり、新年会では「ホラ吹き大会」なんてのもします。


●きらら博ではどんなことをされるんですか?
8月22日に来てください。それ見たら分かりますよ。
地域活動への思いや理想を、写真で展示します。トラタン村の活動の「昨日-今日-明日」を写真で展示するんです。流れの中に、簡単にモノサシでひける境界線がないから難しいけどね。
昨日=“昔”の写真は、村民から古い写真を集めているところです。大昔の貴重な写真ですよ。今日=“現在”では、今までに6回行ってきた、農業の写真コンテストの写真を使って、我々の主張を構成して見てもらおうと思ってます。これはすばらしいのが出来るよ。
明日=“理想”の姿がね、大変難しいンよ。明日の姿っちゅうのは実際にはないからね。我らの仲間で一番忙しい男の西川徹哉さんという人に任せてます。彼が“明日”のディレクター。
当日は、私と、村民のおばちゃんたちが3人か4人ずつ毎日会場にいますよ。そのための研修会もこの間やりました。おばちゃんたちには、「質問されて答えられんかったら逆に質問しんさい」って言ってあるから、そこでまた新たな発見がある予定になってます(笑)。


●きらら博への参加のきっかけって何ですか?
展示のサブタイトルに「共生の明日」っていうのがあるでしょ?人間は、他の生植物が無くなっては生きていけないんだよね。共存しなきゃいけないってこと。ヒトとヒト、ヒトと自然、ヒトと動物、ヒトと農、ヒトと社会っていうつながりだとか、支え合いだとかを大切にせんといけないんですよ。その思いが、文字は違うけど、きらら博のサブテーマ「ひとといのち、自然といのち、産業といのち、地域社会といのち」っていうのとぴったりなんです。それで今取り組んでるんです。


●きらら博後はどんなことに取り組んでいきたいですか?
今回の参加をきっかけに、博後へのつながりを大切にして、可能性を広げていきたいですね。
せっかくきららネットという場で知り合えた仲間のつながりが、展示だけやって終わらせたくないね。もったいないじゃないですか。この後の方が大事だと思うんですよ。きらら博が終わった後にみんなで集まって騒ぎましょうよ。
また、これからはITを取り入れての情報収集や発信が出来るようになりたいね。
今まで同様「地域にこだわり、ともに学習し、実践して、快適で楽しく生活できる個性的な農村集落を作ること」をめざして、着実に、積極的に進んでいきますよ。 


●最後に見に来られるお客さんにメッセージを。
「タヌキのフロシキ」を広げときます。タヌキとはトラタン村、フロシキとは大ホラ。“明日に向かっての大きな志の大ホラ”です。この展示を見て、「どんな村になるんかいな?」「行ってみたいな」と思ってください。
当日は、伊陸の特産品もたくさん持っていきますのでお楽しみに!


▼ 当 日 レ ポ ー ト ▼


来場者に説明をする松崎さん「トラタンちゅうのはですね…」

伊陸の特産品の数々。トラタン村の農産物。

伊陸の特産品の数々。トラタン村の農産物。

トラタン村のキャラクターのタヌキ君。期間中は名前の募集もありました。(トヨカワ)