団体名   岡野芳子
ジャンル 人形
タイトル 夢遊び・和の世界 萩
人形・創作人形・盆創で創り出す和の世界に夢を求めて…
会場 きららネットギャラリーA棟
日時 8/29(水)〜9/4(火)
内容 創作人形・盆創で和のすばらしさを表現し、萩の自然と文化をテーマに創り出された萩人形を披露します。

 

岡野芳子さんにお話を伺いました。(2001.7.25.Wed)

●きらら博への参加のきっかけを教えてください。
萩の自然と文化をテーマに、研究・学習をして創り出した「萩人形」のお披露目の場にしたいと思い、参加を決めました。多くの人たちに見てもらい、萩人形を好きになって、これから一緒に研究・制作をしてくださる仲間を増やせればと思ったんです。そして、いずれは市場へ広まっていって欲しいと思っています。
また、現在取り組んでいる創作日本人形、盆創という和のすばらしさを、より多くの人と共有したいと思っています。和の世界という一つの空間で、花や人形と共に遊び心を持って夢を見、次の夢に向かって進みたいという思いがあるからです。

●「盆創」ですか?
はい。日本には昔から「盆栽」ってあるでしょ?その盆栽の幹と実を粘土で、花や葉は布を使ってすべて手作りで仕上げたものを「盆創」といいます。
東京に盆創づくりを習いに行き始めて8年目なんですが、盆創が日本人の心に安らぎを与えてくれる世界を、ぜひたくさんの人に知ってもらいたいんです。
普通、人形やお花の展示ですと、足を止めて見られるのは女性が多いですが、盆創のある展示会では、男性の方が真剣に見てくださるんですよ。
きららネットギャラリーでは、萩人形とお互いを引き立て合えるように演出し、私の作った盆創を40点くらい展示します。男性にも女性にも足を止めて見てもらいたいですね。

●萩人形ってどうやって作るんですか?
芯になるワイヤーに、綿と布を使ってボディーを作り、着物を着せていきます。丈が11センチメートルしかない人形をゼロから作る細かい作業ですよ。人形に着せる着物も手作りなんです。古布等を使って作るので、材料集めも大変です。でも、町内の方や知人が着物を持ってきてくださるので、とても助かっています。お礼に、もらった着物を着せた人形をお見せすると、とても喜んでくださいます。人と人とのつながり、周りの人の協力があってこそ出来ることです。

●きらら博への参加が決まってから、新しく会を作られたとか?
そうなんですよ。きらら博へは個人での参加なんですけど、新聞でボランティアの募集をしていただいたところ、10人の方が集まって下さったんです。萩市の協力もあり、その方たちと「萩人形の会」を発足しました。分かりやすい名前でしょ?(笑)
人形を作ったことのない素人集団なので、みんなが同じ立場で人形を制作しています。きらら博では250体の萩人形を展示します。本当は1人が人形の制作過程をすべて出来るようになるのが理想ですが、今は、それぞれが得意なところを担当して作っています。

●その萩人形と盆創で、「和」のすばらしさを表現するんですね。
はい。盆創も古木をイメージしていますし、人形もすべて着物を着た日本人形を展示します。「日本の美」をテーマにすべて「和」の展示です。『日本の自然、文化のすばらしさを大切にしながら、今の時代の流れに合ったやり方を考えようよ』というメッセージを込めているんです。

●今後「萩人形」や「盆創」でどんな活動をされるんですか?
盆創の方はまだ個人としてやっているのですが、きらら博をきっかけに「萩人形の会」が出来ましたので、そちらはこれから活動スタートというところです。きららネットギャラリーでは展示のみですが、きらら博の他のイベントでは、ワークショップなども行います。
まずは、人形の大好きな作り手さんを育てることですね。萩人形自体、きらら博で初めて見る方が多いでしょうから、知ってもらい、作りたいという人にはどんどん広めていきたいですね。
9月15日から10月15日の間には、「萩人形」の地元でのお披露目の意味も込め、きららネットギャラリーで展示したものを、萩市の青木邸で展示します。
また、生涯学習の一環としても、作り方のワークショップなどを行っていきます。

●最後に、見に来られるお客さんにメッセージを。
そうですね。萩人形250体、日本人形50体、盆創40点で作り上げる和の世界です。とにかく会場に見に来てください。そして、何かを感じ取っていただければ幸いです。
私は期間中、近くに泊まり込んで常駐していますので、興味を持たれた方はぜひ声をかけてください。



▼ 当 日 レ ポ ー ト ▼


わずか11cmの人形がいっぱい。写真では分かりづらいけれど、一つ一つに表情や動きが。

これが「盆創」。近づいても本物と見分けがつかないくらいに良くできた作品。