団体名   宇野千代顕彰会
宇野千代顕彰会の方々。左から2番目が会長の保田さん。きらら博では、宇野千代さんの写真をスタッフパスとしてかける。
ジャンル 伝記
タイトル 宇野千代からの贈り物 
幸福は幸福を呼ぶ
会場 きららネットギャラリーA棟
日時

9/12(水)〜 18(火)

内容

宇野千代の生涯をテーマにして企画するメッセージ展

 

事前打ち合わせをされているところにお邪魔し、宇野千代顕彰会会長の保田正子さんにお話をうかがいました。(2001.8.23.Thu)


●宇野千代顕彰会について教えてください。
平成9年8月に発足した、宇野千代さんと、その業績を顕彰する会です。
昭和52年に刊行された『宇野千代全集全12巻』の購読者を募った際、その名簿をもとに顕彰会の前身である「宇野千代後援会」が出来ました。
宇野千代さんが98才で亡くなられるまで、故郷である岩国市の支援者として暖かく見守る役目を担ってきました。

事前打ち合わせの様子。この日は岩国市のメンバー10数名で最終打ち合わせ。

顕彰会のメンバーが、手作りで制作した展示パネル。宇野千代さんへの想いが伝わってきます。

●宇野千代さんってどんな方だったのですか?
宇野千代さんのお顔は童女のようでした。常に前向きで、生真面目に生きた人だと思います。『生きて行く私』という自伝的小説を読んでいただいても分かると思いますが、彼女はいろいろなことに捕らわれず、率直に生きた人です。
とてもしなやかな方で、人に対してとてもきめ細かく、人に会うときには絶対に装いを整えられるような方でした。

●1月に「宇野千代の世界展」を開催されましたよね。
はい。今年1月、世界展実行委員会がシンフォニア岩国で展示会を開催しました。資料や遺品など、約1000点を展示し、全国から14800人もの来場者がありました。宇野千代さんの人気を改めて知ることが出来ました。

●きらら博ではどのような展示をされるのですか?
宇野千代さんの人生訓・メッセージ・最近見つかったモダンな洋装の写真などを展示します。ビデオの上映や、初版本の展示なども行います。他では見ることの出来ないものもたくさんあり、宇野千代さんのすばらしさを、多くの人に知ってもらえると思います。
また、岩国の地元アーティストが創作した、宇野千代さんに関わる作品を展示します。
絵・写真・文章・染め物・彫刻・版画・刺繍など、ジャンルは様々ですが、宇野千代さんのメッセージに応えた「市民の表現」として展示します。「一緒にやろう!」と声をかけたところ、市内外から約80点が集まりました。
当日は、作品を出品された方や、1月の展示会を手伝ってくれた方も、交代で手伝ってくださいます。顕彰会のメンバーは、泊まり込みで参加する予定です。

●これから取り組みたいことがあるとか。
はい。宇野千代さんが愛した“薄墨桜(うすずみざくら)”のネットワークを広げることです。今は“淡墨桜”と書きます。岐阜県の根尾村というところにある、樹齢1500年の桜で、国の天然記念物です。宇野千代さんは、枯れかけていたその桜を治療することに力を注ぎ、巨桜救済のキャンペーンをされたんです。
それから、根尾村の苗木をいろいろな所に分けて、淡墨桜を国内だけではなく、海外へも広められました。「桜に力があるというのは本当では?」とみんなが思ってるんです。淡墨桜の普及については、きらら博でも展示します。
今、宇野千代さんが愛した淡墨桜が、宇野千代さんを愛する人たちの手によって全国各地で花を咲かせています。また、いろいろな人が淡墨桜を愛してくれています。あちこちにある淡墨桜が「どういういわれでどこに桜があるのか」がわかる広域地図を作成したいですね。そのネットワークを広げたいと思っているんです。そうすれば淡墨桜を訪ね歩く人もいらっしゃるかもしれませんね。
また、その淡墨桜を岩国市の、人が集まる場所にも植えたいと思っています。今は難しいのですが、将来は「宇野千代館」を岩国市に作って、たくさんの人に宇野千代さんのことを知ってもらいたいですね。

●お客さんへのメッセージをお願いします。
「宇野千代の生き方は、普通の人とは違う」ということが悪いイメージとして一人歩きして、そう思っている方もいらっしゃいますが、先生の本当の姿・生き方を知ってください。宇野千代さんは偉大な方なんです。まちをあげて彼女のしてきた事をもっともっと大切にしたいものです。
そして、宇野千代さんの下さったことばの贈り物・真向きに行動する生き方から元気をもらってください。
11/24は岩国市川西の宇野千代生家で「もみじ茶会」を行います。そこでまた展示をしようと思っています。そちらにもぜひ足を運んでください。



▼ 当 日 レ ポ ー ト ▼


入り口におかれた宇野千代さんの胸像。桜の花と、障子で彼女らしさを表現。

錦帯橋の模型。2001年冬に始まる架け替え事業を記念して、岩国をPR。

岩国市の地元アーティストによって作られた宇野千代さんゆかりの作品。

宇野千代さんの愛した淡墨桜のコーナー。彼女の功績も紹介。